軽量Linuxを試す/Lubuntuのインストール

日本語が利用できるLubuntu 14.04 LTS

LubuntuはUbuntuから派生したディストリビューションで、Ubuntuの豊富なアプリをインストールして使うことができるでき、デスクトップ環境に LXDE を採用した高速・軽量なオペレーティングシステムです。

公式サイトで2014年4月にリリースされたLubuntu14.04 LTSから、日本語の表示と入力ができるようになっています。名前にLTS(long term support)とついているように長期サポート版となっており、サポート期間は2017年4月までの3年間。非PAEのCPUには起動時のオプションで対応します。
lubuntu-14.04-desktop-i386.isoをLubuntu公式サイトからダウンロード

インストールするパソコンは有線LANでインターネットに接続しておきます。ネットワークに接続されていなくてもインストールはできますが、必要なファイルのダウンロードやアップデートができません。

ライブDVDの起動

ダウンロードしたディスクイメージを書き込んだライブDVD をドライブに挿入し、パソコンを再起動します。

カーソルキーで使用する言語を選びます。
lubuntuの起動1

起動オプション画面が表示
lubuntuの起動2

非PAEへの対応

物理アドレス拡張(PAE)に対応していないCPUのパソコンで起動するために、ファンクションキー6(F6)[その他のオプション]を選びます。
lubuntuの起動3

エスケープキー(ESC)を押して起動オプションを指定します。
起動オプションのsplash — に続けて[forcepae]とタイプしてEnterキーで入力。
lubuntuの起動4

Lubuntuをインストール

ライブDVDで起動したLubuntuはそのまま使い勝手を試すことができます。アプリケーションも利用できるので、インストールする前にLubuntuを存分に試してみましょう。
ハードディスクへインストールするには、デスクトップにある[Lubuntu14.04 LTSのインストール]アイコンをダブルクリック。
lubuntuのインストール1

日本語で表示されているはずなので[続ける]ボタンをクリック。
もし他の言語で表示されているようだったら、左側の一覧から日本語を選びます。
lubuntuのインストール2

インストールに必要なディスク容量、インターネットへの接続の確認です。
アップデートのダウンロードとサードパーティーのソフトウェアをインストールするか選択できます。ビデオカードや無線LANのハードウェアを使うのに必要となる場合があるので選択しておきます。
[続ける]ボタンをクリック。
lubuntuのインストール3

他のOSがインストールされているディスクへインストールする場合、そのOSと共存させてインストールするか、それともすべてをLubuntuにするか選択。WindowsXPとLubuntuの2つをインストールしたパソコンにすることが可能です(デュアルブート)。
インストールの種類を選び[続ける]ボタンをクリック。
lubuntuのインストール4

LubuntuをすでにあるOSとは別にインストールする場合には、一つのハードディスクを2つに分けて、Lubuntu用の領域を作成。
境界線をドラッグして領域を決めたら[インストール]ボタンをクリック。
すでにあるOSと置き換えたり、削除して再インストールする場合には、自動で領域が確保されるのでこの操作は必要ありません。
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住んでいる地域を聞かれます。
Tokyoを選び[続ける]ボタンをクリック。
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キーボードのレイアウトを[日本語]に選択し、[続ける]ボタンをクリック。
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名前、ユーザー名、パスワードを記入して、[続ける]ボタンをクリック。
lubuntuのインストール8

インストールが始まります。
lubuntuのインストール9

しばらく待つと、インストールが終わりました。
[今すぐ再起動する]ボタンをクリックすればインストールしたLubuntuが起動します。
lubuntuのインストール8

Lubuntuの起動

LubuntuをすでにあるOSとは別にインストールした場合、再起動させると、GRUB(GRand Unified Bootloader)というブートローダによりOSを選択することができます。
一番上がインストールしたLubuntu、一番下がもともとあったWindowsXP。カーソルキーで選択し、Enterキーで起動です。何もしないままだと一番上のLubuntuが起動します。
lubuntuの起動

Lubuntuとのデュアルブートにしたパソコンでは、インストールされていたWindowsXPを起動しようとするとこのような画面が表示されることがあります。ハードディスクの情報が書き換えられていることが原因かと思われますが、このままにしてハードディスクのチェックが終了すれば問題なく使えるようになりました。
Windowsとのデュアルブート

何らかの理由によって、Windows系のOSとのデュアルブートがうまく行かない可能性もあります。Lubuntuをインストールする前に、必要なデーターは必ずバックアップしておきましょう。

軽量Linuxを試す/インストールするための準備

サポートが終了したWindowsXPの代わりとなる軽量Linuxを試すために、まずはそれぞれのディストリビューションをダウンロードするのですが、同じ名前のディストリビューションでもいくつかのバージョンが並行してリリースされていて、どれを選べばよいのか迷うところです。

軽量Linuxを選ぶ基準

WindowsXPの代わりに使うので、日本語が扱えることは最低条件。それ以外にも、プリンターが使えるか、無線LANが使えるかなどチェックしておきたい項目がありますが、まずはちゃんとインストールして動かせるかが大事。ということでインストール前のチェックポイントです。

軽い

同じバージョンのLinuxでも使われているデスクトップ環境によってはマシンのパワーを非常に必要とするものもあります。今となっては非力なCPUと少ないメモリのマシンで快適に動かすために、軽量なデスクトップ環境LXDEを採用しているディストリビューションを選びます。

32ビット

今回使うノートパソコンのCPUはインテル(R) Pentium(R) Mプロセッサ 725 1.60 GHzは32ビットのプロセッサです。したがって32ビットと64ビットのバージョンがあるものについては32ビット版を選択します。

非PAE対応

また、このプロセッサには4GBを超える物理メモリにアクセスできるようになる物理アドレス拡張(PAE)と呼ばれる機能がありません。そこでディストリビューションのなかでPAEが搭載されていなくても起動するバージョンを選ぶことになります。

十分なサポート期間

そして、LinuxにもWindows同様にサポート期間があります。バグやセキュリティに対応するアップデートが受けられるバージョンを選びます。

WindowsXPに代わる軽量Linuxの候補をダウンロード

ダウンロードするのはディスクイメージ(CDイメージ、DVDイメージ)という拡張子が.isoのファイルです。

Lubuntu

Ubuntu公式バージョンが日本語環境をサポート。非PAEには起動時のオプションで対応。
 lubuntu-14.04-desktop-i386.iso
 http://cdimage.ubuntu.com/lubuntu/releases/14.04/release/
 Lubuntu公式サイトからダウンロード

SparkyLinux

Debian testingがベースで、デスクトップ環境にLXDEを使った32ビットのバージョン。
 sparkylinux-3.3-i486-lxde-jp.iso
 http://ftp.riken.go.jp/Linux/simosnet-livecd/sparky/
 ライブCDの部屋理研ミラーサイトからダウンロード

Zorin OS

Ubuntu13.10ベースのZorin OS8は2014年7月がサポート期限で、Ubuntu13.04がベースのZorin OS7はすでに期限切れのため、サポートが2017年4月までのUbuntu12.04 LTSベースのZorin OS6を利用。
 zorin-os-6.2-lite-jp.iso
 http://ftp.riken.go.jp/Linux/simosnet-livecd/zorin/
 ライブCDの部屋理研ミラーサイトからダウンロード

Kona Linux

Debian stableがベースの日本製ディストリビューションでデスクトップ環境はLXDE。最も軽量化されているblackエディションを利用。
 konalinux-2.3-black.iso
 https://drive.google.com/folderview?pli=1&id=0B63KzJgfI7FnRVMwXy1sQXlDdUk#
 konalinuxのGoogleドライブからダウンロード

linuxBean

Ubuntu14.04がベースの日本製ディストリビューションでデスクトップ環境はLXDE。
 bean1404-140427.iso
 http://sourceforge.jp/projects/linuxbean/releases/
 SourceForge.JPのlinuxBeanからダウンロード

wattOS

デスクトップ環境はLXDE。wattOS R7.5とR7はUbuntu13.04がベースでサポート期限切れのため、サポートが2017年4月までのUbuntu12.04ベースであるR6を利用。
 wattOS-R6x86-jp.iso
 http://ftp.riken.go.jp/Linux/simosnet-livecd/wattos/
 ライブCDの部屋理研ミラーサイトからダウンロード
<追記>DebianベースとなったwattOS-LXDE-R8の32ビット版が利用可能。※日本語化が必要
 wattOS-R8-LXDE32.iso
 http://www.planetwatt.com/pages/downloads
 wattOS公式サイトからダウンロード

Linux Mint

Linux Mint16はUbuntu13.10ベースで2014年6月までと残りのサポート期間が短いため、DebianベースのLinux Mint Debianの軽量デスクトップ環境Mateの32ビットバージョンを利用。※日本語化が必要
 linuxmint-201403-mate-dvd-32bit.iso
 http://www.linuxmint.com/edition.php?id=99
 Linnux Mintの公式サイトからダウンロード

軽量Linuxのディスクイメージを書き込む

どのディストリビューションも無料でダウンロードして利用できます。
ISO形式のディスクイメージファイルとして提供されている各ディストリビューションは、DVD-Rディスクに書き込むことでディスクから起動可能なオペレーティングシステムとして使うことができます。
今使っているOSをそのまま残した状態で、DVD-Rに書き込んだ軽量Linuxを試すことができるのです。

DVD-RにISOイメージファイルを書き込む

未使用のDVD-Rを用意
DVD-RWに書き込むこともできますが、ドライブの互換性が問題となることもあるのでDVD-Rを使用します。

書き込みツールを起動
Windows7や8で書き込むには、ダウンロードしたISOイメージファイルを右クリックし、メニューのプログラムから開く>Windowsディスクイメージ書き込みツールを選びます。
ISOイメージファイルの書き込み
WindowsVistaやXPなどではInfraRecorderなどの書き込みツールを利用します。

ディスクに書き込む
Windowsディスクイメージ書き込みツールでは[書き込み]ボタンをクリックするだけです。この時[書き込み後のディスクの確認]にチェックしておくと、書き込みエラーのチェックができます。

Windowsディスクイメージ書き込みツール

Windowsディスクイメージ書き込みツールの利用

InfraRecorderでは[WriteImage]ボタンをクリック。
InfraRecorderで書き込む
書き込むISOイメージファイルを選択。
InfraRecorderでISOイメージファイル選択
[OK]ボタンを押して書き込み開始。
InfraRecorderでISOイメージファイル書き込み開始
[ディスクのファイナライズに成功しました。]のメッセージが表示されてイメージの書き込み終了。
InfraRecorderでISOイメージファイル書き込み成功

ISOイメージファイルを書き込んだDVD-Rをドライブに挿入し、パソコンを再起動すれば軽量Linuxが起動します。

続く……

サポートが終了したWindowsXPマシンの利用法

XPのサポート終了

長らく使ってきたパソコン、2004年10月の発売のノートパソコンのOSはWindowsXP、マイクロソフト社はこの4月でXPのサポートを打ち切りました。使いつづけるのは可能ですが、セキュリティの点からOSを新しいものへ変更することが望ましい。
けれど、10年ほど前のパソコンでは最新のWindows8.1や、ひとつ前のWindows7をインストールして動かすことができない。つまりは、新しいパソコンを買いなさいということか。

再利用するパソコン

VersaPro VY16F/RF
発表日:2004/10/12(メディアデザインが設立した頃)
希望小売価格:¥165,000(高かったなぁ)
CPU:インテル(R) Pentium(R) Mプロセッサ 725 1.60 GHz
メモリー:DDR SDRAM PC2700 SO-DIMM 256MB + 512MB
ハードディスク:40G
光学ドライブ:DVD-RW
ディスプレイ:15TFT

システムのプロパティ

見た目はくたびれてきたけれど、文書作成などでまだ十分に使えているものを捨てるのはもったいない。どうにかして使い続けることはできないか……

OSにLinuxを

そうだLinuxがあるじゃないか。

以前は利用するのに手間がかかって何かと大変だったLinuxも、最近ではデスクトップ用のOSとして簡単にインストール出きるようになりました。何よりLive CD(Live DVD)という仕組みを使えば、ハードディスクへインストールすることなしに気軽に使うことができるし、試してみる価値はありそうです。
無料で使えるLinuxに必要なのはやる気だけ。

どのLinuxを使う?

一口にLinuxと言っても様々な種類(ディストリビューション)があって、どれを選べばいいのか迷うところ。

インストールするのは古いパソコンですから、その性能に見合ったディストリビューション、いわゆる軽量Linuxと呼ばれる中から選ぶことにします。

軽量Linux

WindowsXPに代わるOSの候補となったのは
 Lubuntu…デスクトップにLXDEを採用した軽量Ubuntu
 SparkyLinux…Debianベースの軽量かつアプリケーションが豊富
 Zorin OS…Windows 7のユーザーインタフェースを意識した作り
 Kona Linux…少ないメモリーで動くことを追求
 Linux Bean…Linux初心者が古いPCを再生させることを目指した
 WattOS…コンパクトで省電力指向
 Linux Mint…シンプルなデスクトップと安定性、簡単なソフトウェア管理
など。
軽量というだけでなく、手間なく最初から日本語が扱えるないと、ということで基本的にライブCDの部屋にある日本語化されたディストリビューションをダウンロードして試すことにしました。

軽量Linuxを試す/インストールするための準備へ続く……