「シゴトのカタチ5」第2回(WOO-JOEさん)レポート

文:大泉(メディアデザイン)/写真:佐藤(猫の手)

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今回の講師WOO-JOEさんはフィギュアの原型師。
マンガやアニメ、映画などの人気キャラクターを、立体化して商品にするのが仕事です。
子どもの時からプラモデルを作ったり、紙粘土で人形を作るのが好きだったというWOO-JOEさん。
「フィギュア」や「原型師」という言葉さえ知られていなかった時代に、ホビーの専門誌を熱心に読んで、「いつかは自分もこういう作品が作れるようになりたい」と思っていたそうです。

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高校卒業後は専門学校でデザインを学び、デザイナー兼イラストレーターとして就職。
大変な忙しさの中、印刷の知識や営業の難しさなど、現場で多くのことを学びます。
そして2年目、3年目と、少しずつ仕事に余裕が生まれるに従って、フィギュア熱が再燃しました。
勤務のかたわら、早朝や深夜にフィギュア作りに取り組み、商品としての魅力を高めるためのパッケージもデザインして作りました。
東京で開催された展示会に持ち込んだところ、米国のフィギュアメーカーの目にとまり、いきなり商品化が決定!
プロとしての第一歩を踏み出します。

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ご本人は「運があった」とおっしゃいましたが、スライドで見せていただいたそのSF映画のキャラクターやパッケージは完成度が極めて高く、参加者からは思わず「おおっ」という声が上がります。
「まだ商品化されていないキャラクターの中から、『自分のようなマニアなら絶対に欲しいはず』と思えるものを選んで作った」とのことで、プロデュース能力の高さにも驚かされました。
その後はお勤めをやめて制作に打ち込んだそうです。
決して順風満帆ではなかったし、いろいろなトラブルにも見舞われたそうですが、それを乗り越え、今では注文の絶えない人気原型師に。
「これからもユーザーが求めるフォルムを追求したフィギュアを、メーカーとタッグを組んで開発していきたい」とのことでした。

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後半は、熱を加えると固まるという特殊な粘土を使っての実演です。
「今日はスピード重視ですからいろいろ省略します」と断って、作業を開始。
粘土を手でちぎりながら全体の形を作り、小さなヘラなどを使って細部を表現します。
何も見ずに宇宙人の頭部を作ったのですが、あまりの速さと精巧さに、参加者からは「魔法を見ているよう」の声も。
わずか30分で「完成」です。

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「もう一つ作りましょう。今度は皆さんが〝半分〟作ってください」とWOO-JOEさん。
西洋人男性の頭部を作り、左半分に眼の位置や唇、耳を作ると、「では右半分をお願いします」と、参加者に回します。
緊張しながらも、アドバイスを受けながら加工に挑戦する皆さん。
左右のバランスに気をつけながら顔の各部分を担当し、順番にWOO-JOEさんのOKが出るまで頑張ります。
最後にWOO-JOEさんが髪の毛を加えて、ほぼ「完成」。
参加者から歓声が上がりました。
WOO-JOEさんは、仙台市内のカルチャーセンターに教室を持っていらっしゃるとのこと。
受講者は圧倒的に女性が多いそうです。
この日の上手な教え方からも、その人気ぶりを察することができました。
WOO-JOEさん、本当にありがとうございました!