仙台文庫は電子出版を始めました。「仙台文庫e」というレーベル名で、AmazonのKindleストアで発売中です。全4タイトルで、定価は100円と300円にしました。
詳しくは、次のページをご覧ください。
http://mediadesign.jp/article-2392/
今回の4タイトルは、印刷書籍の仙台文庫を電子化したものではありません。
これからも印刷書籍と電子書籍の両方を並行して出して行く予定で、将来的には同内容の本をほぼ同時に、印刷と電子で発行することもあるかもしれません。
印刷書籍と電子書籍の関係についてどう考えているかについては、ここで詳しくは述べません。
もしこの問題に関心のある方は、津野海太郎の『電子本をバカにするなかれ』をお読みいただければと思います。
印刷書籍は2010年に国書刊行会から出ましたが、2011年に電子書籍になり、現在はEPUB(イーパブ)というファイル形式で無償提供されています。
次のページの「EPUB3サンプルコンテンツ」からダウンロードすることができます。
http://www.epubjp.com/home/downloads
電子書籍を、とにかく今、採算は度外視で、作って売ってみようと思った理由はいくつかあります。
第一に、今後の発信手段の確保です。
電子書籍は、21世紀のミニコミになりうると思います。
今回発売の4タイトルは、若い書き手によるワークショップのレポート、市民のためのデザイン講座、そして私の、もう印刷書籍としては入手が難しい10年前の本が2タイトル、という内容です。
日本のどこにいるか分からない、しかしその情報を必要としている方が欲しいと思った時に確実に届くように、とか、できれば目の不自由な方々が読者だけでなく著者にもなれるように、ということを考えています。
第二に、環境が整ったからです。
縦書きでルビが表示できること。コピーされないファイル形式で販売できること。代金回収の仕組みがあること。
こうした条件が、昨年の秋、Amazonのキンドル・ダイレクト・パブリッシングでようやくクリアされました。
第三に、お金をいただいたからです。
「一般財団法人 アーツエイド東北」から30万円、内閣府の起業支援・雇用促進事業「文化なしごと」から200万円をいただきました。
http://aat.or.jp
http://bunkanashigoto.jp
仙台文庫の発行元であるメディアデザインの法人化や、昨年12月に発行した印刷出版の2タイトルの印刷代などにも使わせていただきましたが、電子出版のチャレンジにも使わせていただきました。
大泉の人件費は相変わらずゼロですが、この10年間ほとんどタダ働きを強いてきたメディアデザインのメンバーには、少しだけ報酬を支払うこともできました。
電子出版以外にもいろいろと考えていますが、これまで通り、そのほとんどはアイディア倒れになりそうです(笑)。
でもやります。
1月から3月にかけて、仙台文庫の著者の方々に講師役を務めていただいたワークショップは、おかげさまで好評でした。
今度は「著者候補」の方々のワークショップを、6月から7月にかけて開催いたします。
今後とも仙台文庫とメディアデザインを、どうぞよろしくお願いいたします。